公益社団法人 半田青年会議所

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理事長所信

第54代理事長 青木 孝太

aokikota

はじめに

私たちの住み暮らす知多半島は、経済的にも文化的にも恵まれた暮らしやすい地域であります。日本のほぼ中央に位置する大都市名古屋まで先端の南知多町からでも1時間以内で行けるほど交通網が整備され、中部国際空港へも近く、知多半島は全国、世界各地と繋がっていると言えます。そして、古くから醸造業などの地域産業や山車に象徴される伝統的な祭などの地域文化も栄えました。知多半島は経済的にも文化的にも恵まれた地域であり、そこに住み暮らす人は、普段の生活にある程度の満足感を得られていることでしょう。

しかしながら、こうした恵まれた環境の中で、人は大切な心を忘れてはいないでしょうか。生活が豊かになる一方で、地域や社会に対する関心を失い、自分の周りで起こることを他者に依存し、自分勝手な心が増長しています。現状の豊かな生活は、決して誰かが保障してくれているものではありません。自らの地域は、他の誰かに頼むのではなく、自分達の手で守り、より良く変えていかなければなりません。世の中をただ傍観するのではなく、地域で起こることを自分事として捉え、有事が起こった際には地域の人々と協力して復興を成し遂げるしかありません。そこで大切なのは、地域を愛する心と他者を思いやる心を持ち、未来を切り拓くために必要な行動力と情熱を兼ね備え、地域のために率先して行動できる人であります。

東日本大震災後、国難に直面した時でも他者を思いやる心を忘れずに助け合い、地域の復興のために立ち上がろうとする姿が、世界中から賞賛を浴びました。日本人の持つ地域を愛し、他者を思いやり、自分勝手な行動を恥じる美しい心は、世界に誇れるものであります。これは幼い頃より家庭や教育現場で道徳教育を受け、育まれているものです。それはこの地域においても同じです。しかしながら、有事の際に現れたこの心も、日常の豊かな生活の中では忘れ去られてしまいます。常日頃から地域愛と思いやりの心が溢れる社会を実現させることができれば、今後どのような社会情勢になろうとも、如何なる問題が起ころうとも、明るい未来を切り拓くことができます。

青年会議所の活動は、地域をより良くすることを共通の理念としています。そして、青年会議所会員はその理念のもと、地域を想い率先して行動することのできる、未来を切り拓く力を持った青年であります。今こそ私たちが率先して行動し、地域の課題に取り組むことで、人々の意識を変革し、この恵まれた知多半島を未来へ引き継いでいきましょう。


地域愛溢れるまちづくり

私はこの地で生まれ育ち、大学を卒業するまで地元を離れることがなく、日常の生活の中で触れていた地域の魅力は当たり前にあるものであり、その素晴らしさに気づくことはありませんでした。しかし、大学卒業後数年間地元を離れて生活をし、半田青年会議所に入会後も全国各地、世界中へ訪れる機会をいただき、客観的に地域を見ることができました。世界中どこへ行っても自分が生まれ育った地域が最も心安らぐ故郷と呼ぶべき所でありました。そして、今まで何も感じなかった様々な魅力に気づき、故郷を愛する気持ちが高まりました。地域の魅力を守り、また、新たな魅力を発掘することで、この素晴らしい知多半島を未来へ残していきたいと考えるようになりました。

知多半島は里山や海に囲まれ、自然の恵みによって農業や漁業を中心に栄え、酢・醤油・味噌などの醸造業、祭などの伝統文化、歴史的な地域資産や偉人など、様々な地域の魅力を育んできました。そうした地域の魅力を守り、未来へ継承するためには、地域の人にその素晴らしさをもっと知っていただき、故郷を愛する気持ちをさらに高めることが必要です。地域の良さは地域に暮らす人が力を合わせて守り、さらにより良いものへと進化させ、新たな魅力を発掘することで、この恵まれた知多半島を未来へ引き継いでいきましょう。


他者を思いやり、未来を切り拓く人育成

リアルとバーチャルが混在する現代において、人は他者や地域への関心や愛情を育むことはできるのでしょうか。ゲームやコンピュータの普及により、身の周りで起きていることであっても、バーチャルな世界で起きていることのように錯覚し、正しい判断ができない子ども達が増えてきています。また、恵まれた環境に育ち、生まれながらにして豊かな生活を手にしていた人は、その人生の中で自らの未来を切り拓く能力を備えるために必要な経験をすることが難しく、苦労を体験したことがないために他者を思いやる心に乏しく、自分勝手な考え方や、世の中をただ傍観し、全てを他者に依存する考え方を持つ傾向にあります。己に降りかかる全てのことは自らの手で変えていかなければならないのに、未来を切り拓くために必要な思想や行動力、情熱を持ち合わせていないのです。それらを育むためには、自然と触れ合い、人の温かみを感じ、世間の厳しさを知り、未来を自らの手で切り拓く成功体験、1つの目標に向かってチームで取り組み達成する経験が必要です。

自らの地域で起こることを自分事として捉え、他者を思いやる心と、未来を切り拓く行動力と情熱を育むことで、この恵まれた知多半島を未来へ引き継いでいきましょう。


未来を切り拓く国際人育成

内閣府が発表した2016年版高齢社会白書によると、日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに減少に転じ、2050年には1億人を割り込み9708万人、そのうち3768万人(38.8%)が65歳以上になるという予測です。こうした人口減少や高齢化は生産や納税、福祉介護のバランスを崩し、社会構造の変革を余儀なくされます。一方で、日本を訪れる外国人の数は増加傾向にあり、法務省の統計によると2015年末で日本国内には223万人、知多半島には1万2363人の在留外国人がいます。また、訪日外国人旅行者数も年々増加しており、2015年には2000万人近い外国人が日本を訪れ、今後さらに増加すると予測されています。こうした環境の中、企業や地域が今後さらに発展するためには、世界に目を向け、日本を訪れる外国人によるインバウンド需要を取り込むことが重要になってきます。

2005年知多半島沖に中部国際空港が開港し、この地域は世界と繋がりました。また、その周辺には多くの商業施設もでき、企業の外国人雇用も増え、地域に住む外国人も多くなり、海外の人と交流する機会が増えてきています。この地域は国際交流においても恵まれた環境にあります。これからの時代、未来を切り拓いていくためには国際的な視点を持つことが必要です。こうした恵まれた環境を活かし、国際的な広い視野を持つ人を育むことで、知多半島を未来へ引き継いでいきましょう。


地域の魅力発信

私が「はんだ山車まつり」に初めて参加したのは小学生の頃であり、山車が勢揃いする壮観な光景と多くの人が訪れる喧騒に、幼心にわくわくしたことを覚えています。半田青年会議所に入会し、これを最初に企画したのは当会議所の先輩であり、自分と同世代の人が企画し、開催に至ったことに驚きました。

「第一回はんだ山車まつり」は1979年に当会議所の創立15周年の事業として開催されました。当会議所の先輩は半田市各地の31輌の山車を同じ場所に集めるという壮大な発想を抱きました。しかし、神事に深く関わる山車をそれ以外の目的で曳き出すことや、会場から遠い地区の反対を受け、実現は困難を極めました。それでも、若き情熱と行動力を結集させ、様々な困難を乗り越え、多くの反対意見に立ち向かい、半田市内の山車組や各種団体の理解と協力を得て、開催に至りました。これが当会議所の誇りであります。

2017年に開催される「第八回はんだ山車まつり」は、全国各地より多くの人が集まり、地域の魅力を広く発信する絶好の機会です。また、地域の人にその魅力を再確認していただくことができ、必ずや地域の更なる発展に繋がることと確信しています。私たちにとっても、過去に先輩諸兄が創り上げた地域最大の事業に携わることは大きな財産になります。地域で活躍する人達と共に創り上げる喜びを感じ、様々な困難を乗り越えることで成長し、事業を成功させることで組織の団結力を高め、自信を持つことができるよう、一丸となって取り組んでいきましょう。


魅力溢れるJAYCEEの拡大

青年会議所の会員拡大は、活動や理念に共感していただき、同じ志を抱き、共に活動する仲間を増やすことです。そのためには、正会員一人ひとりが自らの活動に誇りを持ち、家族や友人、青年会議所活動や仕事を通して出会う多くの人に私たちの活動や理念について語ることが大切です。たとえ直接入会に繋がらなくても、私たちの口で多くの人に語り、伝播していくことが、必ず会員拡大に繋がります。

青年会議所の魅力は、正会員一人ひとりの魅力の結集であります。地域を想い、一生懸命活動する正会員一人ひとりが青年会議所の魅力に他なりません。今後も魅力ある団体で在り続けるために、正会員全員で会員拡大活動に取り組み、仲間を増やすとともに一人ひとりが成長することで、魅力溢れるJAYCEEを拡大していきましょう。


心に残る共感の構築

私たちは対外発信力をさらに強化する必要があります。地域における青年会議所の存在価値や認知度は決して高いとは言えません。半田青年会議所は何を目的に活動し、どんな団体であるのか。どれだけ高尚な理想を掲げて活動しても、どれだけ素晴らしい事業を開催しても、地域の人に認知され受け入れられなければ、効果は参加者に限定されてしまいます。私たちの活動を1人でも多くの人に知っていただき、共感を得ることができれば、地域における存在価値や認知度は必ず高まります。そのためには、特別な何かを取り入れるのではなく、全員ができることを少しずつ継続して行うことで、広報の量を増やす必要があります。私たちの活動は全て地域をより良くしようという想いからできており、人の目に触れれば、そこには必ず共感が生まれると私は確信しています。

共感は受け手の人の心に築かれるものであり、それは一朝一夕には成りません。だからこそ、私たちは自らのブランディングを行い続けなければならないのです。


組織を進化させる運営

私たちの活動の効果を最大限に高めるためには、盤石な組織運営を行うことが必要です。公益社団法人格を有する団体として地域社会からの信頼を得るために、私たちは法令を遵守した活動と運営を行い、公益法人会計基準に準拠した効果的で高い公益性を備えた事業を行う必要があります。また、半田青年会議所は財源の8割以上を会員からの会費収入で賄っています。近年、規定の改訂などによりその金額は減少傾向にあり、収入源の多様化、分散化を検討することも必要であると考えます。

運営面から事業や活動にフィルターを掛け、盤石な財源を確保することで、我々の創り上げる事業をより良いものへと進化させましょう。


結びに

We believe that service to humanity is the best work of life.
~我々はかく信じる、人類への奉仕が人生最善の仕事である~

この言葉は私たちが常日頃活動を行う際に唱和している1文であり、青年会議所活動の本質を捉えています。私は青年会議所が社会をより良く変革することができると確信しています。会員一人ひとりが地域を想い、挑戦を重ねることで、私たちの活動は地域を変えていく力を兼ね備えます。時には失敗することもありますが、挑戦した結果としての失敗は未来へ繋がります。

いつの時代も未来を切り拓いてきたのは私たち青年世代であります。その誇りと覚悟を持ち、愛する地域の未来のために妥協せず挑戦していきましょう。