公益社団法人 半田青年会議所

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理事長所信

第55代理事長 森 久人

はじめに

私は2011年に半田市に移り住み、家族と社員しか知り合いがおらず、地域との繋がりも無く、この地で住み暮らすことに不安を感じていました。そんな中、50年近くも長きに亘りこの地域で活動している半田青年会議所のことを知り、自ら門を叩き入会させていただきました。青年会議所活動に心から共感し、精力的に活動する中で、多くの尊敬すべき先輩諸兄や心の底から信頼できる仲間と出会いました。また、青年会議所活動を通し地域の人々と共に汗を流すことで、この地域が好きになり、人と地域が繋がることの大切さを強く感じました。以前の私は、転勤が多く様々な地域で生活しました。現在知多半島で暮らす中で感じることは、この地域の人々の心の中には、仲間を大切にする心と他者を思いやる心があるということです。それは古来より日本人が大切にしてきた精神性でもあり、次世代に引き継ぐべきものであります。現在では携帯電話やパソコンが普及し、SNS等の発達により、人と繋がりを持つことや、情報を共有することが容易にできるようになりました。それにより、地域で行われている様々な活動も容易に知ることができ、人と地域の繋がりも増えてきました。しかしながら、その一方で、地域で起こる問題に対して、他の誰かがなんとかしてくれる、自分には直接関わりの無いことという無関心や、地域のことよりも自分さえ良ければいいという考えの人が増えてきたように感じます。近年、全国各地で自然災害が多く発生しておりますが、昔から有事が起こった際には地域の人々が協力し、助け合いながら復興をしてきました。現在においても、自らの地域で起こる問題は、自らの手で解決するしかありません。どんな問題でも地域の人々が力を合わせれば乗り越えられないことはなく、その過程で人々に連帯感が芽生え、他者を思いやる心が生まれます。一人ひとりがその大切さに改めて気づくことで、自らの地域の問題点は自らの手で何とかしないといけないと自覚を持ち、行動に移すことができるはずです。そして、必ずや地域への愛が深まり、人と人、人と地域の関係はより強固なものとなり、住民主体の魅力溢れる地域社会の実現に繋がります。今後、更に魅力溢れる地域にするために、人と地域の繋がりがあるまちづくりと思いやりの心が溢れる人財の育成が必要なのです。

繋がりあるまちづくり

知多半島は里山や海に囲まれ、自然の恵みによって漁業、農業が栄え、山車祭り、醸造業、伝統文化、歴史的な地域遺産や偉人など様々な地域の宝が数多く存在しています。それらの地域の宝を大切にし、現在に継承している人も多く存在します。その地域の宝の一つに童話作家新美南吉があります。その童話の中で取り上げられた矢勝川沿いの彼岸花は、時代の流れの中でほとんど見られなくなった時もありました。それを憂いた一人の住民の想いから、矢勝川沿いに彼岸花を植える活動が始まり、その活動は徐々に大きくなり、現在では毎年300万本もの彼岸花が咲き誇るまでに拡大していきました。半田青年会議所では、そうした地域住民の想いがこもる彼岸花に更に光を当てるべく、住民、行政、各種団体、企業と連携し、ハナノヒカリプロジェクトを2016年に開催しました。それにより、美しく咲き誇る彼岸花と、それを再興させた地域住民の想いを伝えることができました。それをより多くの人に感じていただき、更に魅力あるものに育てることが、地域の更なる発展に繋がると考えます。我々が先頭に立ち、一つのプロジェクトを準備段階から住民、行政、各種団体、企業と連携して取り組み、より輝きある地域の宝を創り上げましょう。

他者を思いやる人財の育成

日本人の根底には、古来より他者を思いやる心があり、その心は他者との現実世界での触れ合いの中で芽生えるものです。物質的に豊かになった現代において、ゲームなどで遊ぶことが多くなり、現実と空想の区別ができず、他者に対して心ない言動や行動をとってしまう子どもたちが多くなったように感じます。昨年開催したわんぱく相撲知多半島場所では、試合を通し体と体がぶつかり合う中で、相手への感謝の気持ちが芽生え、勝敗に関わらず相手に対する尊敬の気持ちが生まれるものでした。そこでは、大人が教えるのではなく、子ども同士の交流の中で他者を思いやる心が自然と芽生えました。今を生きる私たちにとって、子どもたちは地域の宝であり、未来への希望です。感受性豊かな子どもたちは、無限の可能性を持っています。他者を思いやる心を持ち、健全な道を歩み続けることのできる人財を育てていきましょう。

 

可能性広がる国際人育成

私が小学生の頃は、まちを歩いていても外国人を見る機会はほとんどなく、現在のように多くの外国人が身近に暮らすことは想像もつきませんでした。2011年度より小学5年生以上で英語が必須科目となり、学校生活の中で外国語を用いる機会が増えてきました。2016年度に愛知県が国勢調査にて得たデータによると、我々の活動エリアである1市5町には、4,464人もの外国人が生活しています。2020年には東京オリンピックが開催されることもあり、日本を訪れる外国人の数は年々増加傾向にあり、この地域においても今後更に増えていくと予測されています。今後は海外に行かなくとも、外国人との交流がますます多くなってくるでしょう。一方では、2017年度総務省の発表によると15~64歳の生産年齢人口は1990年の時点で8,590万人をピークにして年々減少しており、今後の予測推移では2030年には6,773万人まで減少すると見込まれています。こうした背景により、生産年齢人口が減少することから、日本を訪問した外国人雇用の必要性が高まってくるため、国際的な広い視野を持つ人財が必要になります。この地域には、行政をはじめ国際交流や外国人支援などを行っている団体もあり、国際交流においては恵まれた環境にあります。この恵まれた環境を活かし、地域に住み暮らす外国人との交流を行い、文化や習慣、考え方の違いに触れながら、多様性や自主性、国際性を養い国際的な広い視野を持つことが必要です。国際的に広い視野を持つ人を育み、世界に広がる可能性を感じられる人財を育成していきましょう。

魅力あるJAYCEEの拡大

会員拡大は青年会議所において毎年取り組むべき重要なことです。一人でも多くの会員が増えることで、今より運動の輪が広がります。青年会議所の魅力は正会員一人ひとりの魅力の結集です。我々が更に魅力ある団体になるためには、正会員一人ひとりが考え、行動し、経験を通し一層魅力ある人財になる必要があります。正会員が魅力溢れる人財になり、その魅力を我々が共有する機会を設け、日々の生活の中で出会う人々に青年会議所の理念と活動を伝えることが、会員拡大において重要だと考えます。そうすることで、我々の運動は地域の隅々まで伝播できることでしょう。

賛同者の輪を広げる情報発信

我々は地域の課題を見つけ、それを解決するために考え、活動を展開しています。その根底には、地域を今より良くしたいと思う気持ちがあります。我々が、どんなに素晴らしい活動を行ったとしても、それが人々に伝わらなければ賛同を得ることはできません。地域の幅広い年齢層に活動内容を伝えるために、メディアやSNSなど多くの媒体を用いています。多くの媒体を有効活用し、伝えたい情報をより解りやすく発信し、多くの人の目に触れる機会を増やすことが重要です。そのためには、今使用している媒体を効果的に活用できているのかを見直し、それに加え新たな媒体を用いて発信していく必要があります。
また、多くの情報を得られる便利な時代になった昨今では、自ら情報を得る際に、複数の情報の中から必要な情報を読み取るスキルの必要性は年々高まりつつあります。それらを適切に活用することで信頼度の高い情報発信が可能となります。
我々の活動は地域を想う気持ちから成っており、活動内容を知っていただくことで、共感と賛同が得られるでしょう。

健全なる組織運営の構築

我々は、50年以上の長きに亘り、それぞれの時代において最善の活動を展開して参りました。2016年に公益社団法人となり初めての愛知県の監査がありました。そこで、半田青年会議所が公益法人会計基準に則り健全な組織運営を行っていることに加え、地域に公益性の高い事業を展開していることを再認識しました。今後も健全な組織運営を行うためには、変化する社会情勢や法改正に対し、的確に対応できる組織を確立する必要があります。また、我々は会費収入を主な財源として事業を展開する団体です。事業構築する際には常に厳しく精査し、より大きな成果を上げていきましょう。

会員の更なる資質向上

一人ひとりの成長なくして組織の成長はありません。地域を変えるべくより大きな力を結集させるためには、正会員一人ひとりの能力を向上させる必要があります。私が入会した当初は、個人の能力を向上させる機会が数多くありました。そうした自己研鑽の機会が多くあったことが、半田青年会議所が50年もの長きに亘り、地域のリーダーとして率先して行動できる人財を多く輩出し続けることができた一つの要因であります。我々の魅力をより高めていくためにも、正会員の能力を向上させることで、半田青年会議所の魅力の更なる向上に繋がるでしょう。

結びに

半田青年会議所が地域の方の理解を得て現在も活動することができるのは、先輩諸兄が築き上げてきた歴史や信頼があるからです。同時に、我々が活動に専念できるのは、家族や会社の支えや理解があるからです。そういった我々の活動の礎を築いていただいた先輩諸兄や支えてくれる家族に感謝の念を持ち、我々は青年会議所活動に取り組んでいくことが必要です。
我々は、青年経済人として、そしてJAYCEEとして、地域の課題に対し全力で取り組む過程で、時に切磋琢磨し、時に仲間と助け合い、友情を育みながら成長します。その過程で失敗することもあるでしょう。それを失敗として終わらせるのではなく、しっかりと検証することで、次へ繋がる財産として残していきます。それらで得た経験を活かし地域のリーダーとして、どんな課題にも勇往邁進し、思いやりの心が溢れる知多半島の実現を目指した運動を展開していきます。